Ryzen 7 6800H(Radeon 680M)搭載でグラフィック性能が高く、さらにメモリ32GB搭載のミニPC、「AOOSTAR GEM10」を購入しました。
セール価格65,900円と今のPCパーツ価格高騰の情勢の中、非常に安価な価格だったので、思わず衝動買いしてしまいました。
せっかくなのでレビューしたいと思います。
スペックをチェック
| CPU | Ryzen 7 6800H(8コア16スレッド) |
|---|---|
| グラフィックス | Radeon 680M(内蔵GPU) |
| メモリ | LPDDR5-6400 32GB (16GB×2) |
| ストレージ | 512GB M.2 SSD (PCIe Gen 4×4 NVMe) |
| ネットワーク | Wi-Fi 6E、Bluetooth v5.2、LANポート(2.5G LAN)×2 |
| ポート | ・USB Type-C(40 Gbps)×1 ・USB Type-A(10 Gbps)×4 ・Occulink×1 ・HDMI 2.1×1 ・Display Port 1.4×1 ・LANポート(2.5G LAN)×2 |
| OS | Windows 11 Pro |
| ACアダプタ | 100W |
| 外形寸法 | 幅135×奥行き132×高さ46.9mm |
| 重量 | 約514g※実測 |
| 標準保証 | 1年 |
| 価格 ※2026年1月現在 | 65,900円 |
AOOSTAR GEM10が在庫切れで購入できないのであれば、代替として下記製品がおすすめです。
いずれの製品もRyzen 7 PRO 6850Hを搭載していますが、Ryzen 7 6800Hの法人向けモデルなだけなので、性能自体は全く同じです。
メモリ32GB+ストレージ1TBモデル
メモリ24GB+ストレージ1TBモデル
メモリ16GB+ストレージ512GBモデル
外観

パッケージです。Amazonで注文したのですが、段ボールの梱包は一切なく、外箱のまま送られてきました。そのため、かなり傷んでいます。


付属品は下記の通りです。
- マニュアル
- グリーディングカード
- HDMIケーブル
- M.2 SSD用サーマルパッド×1
- VESA変換マウントキット
- VESA固定用ネジ×4
- 電源アダプタ
- 電源ケーブル

サイズは幅135×奥行き132×高さ46.9mmと非常にコンパクトです。

コンパクトなのでモニターの下の空いたスペースに設置することも容易です。

フロントには下記インターフェースが配置されています。
- 電源ボタン
- ヘッドホン端子
- USB Type-A(10 Gbps)×2
- USB Type-C(40 Gbps)×1
- Occulink×1
USB Type-Cは最大40 Gbpsの転送速度に対応している、USB 4に対応しています。また、Occulinkを搭載しているので、下記のようなドッキングステーションを使えば、ビデオカードと接続することも可能です。

リアには下記インターフェースが配置されています。LANポート(2.5G LAN)を2基搭載しているので、リンクアグリゲーションや、ネットワークの分離が可能になります。
- 電源アダプタポート
- ヘッドホン端子
- LANポート(2.5G LAN)×2
- HDMI 2.1×1
- Display Port 1.4×1
- USB Type-A(10 Gbps)×2

両サイドには排気用の穴があけられており、ヒートシンクなどの各パーツを見ることができます。

トップパネルは無数に通気口が設けられています。

ボトムパネルは巨大は通気口が設けられ、ファンが透けて見えます。


本体の重量は約514g、バッテリーの重量は約307gです。本体、バッテリー合わせても1kg未満に収まるので軽量です。
内部構造をチェック

分解するのは四隅のネジを外す必要があります。
右上隅のみ、ゴム脚を外す必要があります。ネジは奥まったところにあるので、先端が細めな「PH1」規格のプラスドライバーがあれば便利です。

ボトムパネルを取り外すと、内部にアクセスできます。ボトムパネルにはファンがついており、内部と配線でつながっているので、線が切れないように注意深く作業する必要があります。

M.2 SSDスロットにはSSDが、Wi-Fiカード用スロットにはWi-Fiカードがそれぞれ1枚ずつ装着されています。

M.2 スロットは3基あるので、M.2 SSDは2基増設できます。
搭載パーツをチェック

CPUはAMD RyzenシリーズのRyzen 7 6800Hを搭載。アーキテクチャーはZen 3+で、8コア / 16スレッドのCPUです。

内蔵GPUはRadeon Graphics(Radeon 680M)を搭載。RDNA 2アーキテクチャーと世代は古いですが、今現在も内蔵GPUとしてはかなり強力な性能を持っています。


本機は一般的なDDR5メモリではなく、基板直付けのLPDDR5メモリを採用しています。そのため増設や換装はできません。メーカーは非公開ですが、容量は32GB(16GB×2)で、標準動作クロックはDDR5-6400となっています。

ストレージはAsintAs828の512GBのPCIe Gen4接続のM.2 NVMe SSDが搭載されていました。

Crystal Disk Markでストレージの転送側を計測しました。
読込7,000MB/s、書込4,700MB/sという数値は、PCIe Gen4接続における理論上の上限に迫るスピードです。
基本ベンチマーク
検証について

AOOSTAR GEM10のPower Configurationには、「Quiet(28W)」、「Balance(35W)」、「Performance(45W)」の3種類が用意されています。今回は、最も性能が発揮される、「Performance(45W)」に設定して検証します。

比較対象として、内蔵GPUの性能が高いデスクトップ向けAPUのRyzen 5 8600G、Ryzen 5 5600Gを用意しました。
メモリ構成については、Ryzen 5 8600GにはDDR5-4800(16GB×2)を、Ryzen 5 5600GにはDDR4-3200(16GB×2)をそれぞれ採用し、検証を行っています。
CPU

レンダリングベンチマークの最新バージョンのCINEBENCH 2026で、CPUの性能を計測します。
Ryzen 7 6800Hのマルチ性能、シングル性能ともにRyzen 5 5600Gに酷似しています。一方、Ryzen 5 8600Gと比べた場合、マルチ性能、シングル性能ともに大きく下回っています。
Ryzen 7 6800Hは設計上、モバイル向けという枠組みには収まりますが、ベンチマーク性能はデスクトップ用のRyzen 5 5600G相当に達しています。
省電力なモバイル向けCPUでありながら、デスクトップ環境に近い処理能力を有していると言えます。
グラフィックス

GPUの3D描画性能を計測する3D Markです。テストにはFire StrikeとNight Raidを使用します。
ベンチマーク結果を見ると、Ryzen 7 6800H(Radeon 680M)は、軽量なNight RaidではRyzen 5 8600Gに一歩譲るものの、より負荷の高いFire Strikeでは逆に上回る結果となりました。
旧世代のRyzen 5 5600Gを大きく引き離しており、内蔵GPUとしては極めて高い3D描画能力を備えていると言えます。
ゲームベンチマーク
Assassin’s Creed Shadows

・解像度:フルHD
・画質:低
・レイトレーシング:隠れ家のみ
・アップスケーリング:FSRパフォーマンス
・フレーム生成:有効

Ryzen 7 6800HのフレームレートはRyzen 5 8600G並みで、Ryzen 5 5600Gからは大幅な向上が見られます。ただ、依然として負荷の重さがネックとなっており、実用的な動作水準には届いていない印象です。
Cyberpunk 2077

・解像度:フルHD
・画質:低
・アップスケーリング:FSRパフォーマンス
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測

Ryzen 7 6800HのフレームレートはRyzen 5 8600Gには及ばないものの、Ryzen 5 5600Gを大きく上回っています。
Marvel Rivals

・解像度:フルHD
・画質:低
・アップスケーリング:FSRウルトラパフォーマンス
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測

Ryzen 7 6800HのフレームレートはおおむねRyzen 5 8600Gと同程度で、Ryzen 5 5600Gと比べると大きく性能が向上しています。
FFXIV: 黄金のレガシー

・解像度:フルHD
・画質:標準品質(ノートPC)
※ベンチマークソフトで計測

Ryzen 7 6800HのフレームレートはRyzen 5 8600Gとほぼ同等で、Ryzen 5 5600Gからは大幅な向上が見られます。
3Dグラフィックス解像度スケールの値を下げてやれば、フルHDでも平均60fpsに達するかと思います。
Fotnite

・解像度:フルHD
・画質:パフォーマンス
※ベンチマークモードで計測

Ryzen 7 6800HのフレームレートはRyzen 5 8600Gには届かないものの、Ryzen 5 5600Gと比べると大幅に上回っています。
FortniteはCPU性能も重要なのでRyzen 5 8600Gとの差は大きなものとなっています。
Skull and Bones

・解像度:フルHD
・画質:低
・アップスケーリング:FSRウルトラパフォーマンス
※ベンチマークモードで計測

Ryzen 7 6800HのフレームレートはRyzen 5 8600Gとほぼ肩を並べる水準にあり、Ryzen 5 5600Gと比べると大きな性能向上が確認できます。
Tom Clancy’s Rainbow Six Siege X

・解像度:フルHD
・画質:低
・アップスケーリング:FSRウルトラパフォーマンス
※ベンチマークモードで計測

Ryzen 7 6800HのフレームレートはRyzen 5 8600Gとほぼ同水準に達しており、Ryzen 5 5600Gと比較すると顕著な性能向上が見て取れます。
Varorant

・解像度:フルHD
・画質:最低
※演習場で周回してフレームレートを計測

このゲームはグラフィックのプリセットが用意されていないので上記画像のように設定しました。

Ryzen 7 6800HのフレームレートはRyzen 5 8600Gには及ばないものの、Ryzen 5 5600Gと比較すると大きく上回っています。
このゲームはCPU性能も重要なので、Ryzen 5 8600Gとの差は大きくなっています。
Apex Legends

・解像度:フルHD
・画質:最低
※演習場で周回した後、スモーク、ウルトなど負荷の重い処理をしてフレームレートを計測

このゲームはグラフィックのプリセットが用意されていないので上記画像のように設定しました。

Ryzen 7 6800HのフレームレートはRyzen 5 8600Gをやや上回っており、Ryzen 5 5600Gと比べると明確な性能向上が確認できます。
クリエイティブ系ベンチマーク
PC Mark 10
ここからは、AOOSTAR GEM10のクリエイティブ性能を検証します。
PCMark 10は、Windows PCの総合的な性能を評価するための業界標準のベンチマークソフトです。下記の3つの要素でベンチマークを行い、スコアを算出します。
- Essentials (基本性能):Webブラウジング、ビデオ会議、アプリの起動時間など、毎日の基本的なニーズを満たすための性能を測定します
- Productivity (生産性):スプレッドシート(表計算)やライティング(文章作成)など、一般的なオフィス作業における性能を測定します。
- Digital Content Creation (デジタルコンテンツ制作):写真編集、動画編集、レンダリングなど、負荷の高いクリエイティブな作業における性能を測定します。

Ryzen 7 6800Hのスコアは、Productivityこそやや伸び悩んでいるものの、それ以外のテストではRyzen 5 8600Gに迫る結果となっています。
とりわけDigital Content CreationはGPU性能の影響を受けやすい項目ですが、この分野でRyzen 5 8600Gに肩を並べるスコアを記録していることから、Ryzen 7 6800HのGPU性能の高さが改めて裏付けられたと言えるでしょう。
Blender benchmark
Blender Benchmarkは、オープンソースの3Dソフトウェア「Blender」におけるPCのレンダリング性能を計測するための公式ベンチマークツールです。今回はGPUでレンダリングして性能を計測します。

Ryzen 7 6800Hの総合スコアは、Ryzen 5 5600GとRyzen 5 8600Gのちょうど中間といった感じで、Ryzen 5 8600Gに迫っており、悪くない印象です。
ただ、BlenderではCUDAが使えるNVIDIA系のGPUが圧倒的に有利なので、AMDのGPUだとどうしてもスコアは低くなる傾向があります。
Aviutlでのエンコード
無料の動画編集ソフトのAviutlで、ハードウェアエンコード(VCEEncを使用)にかかった時間を計測します。素材は10分間のmov形式の4K動画です。

Ryzen 7 6800Hのエンコードにかかった時間はRyzen 5 8600Gと比べた場合、200秒近く遅く、かなり差が開きました。
GPUエンコードとはいえ、CPU性能も重視されるので、その点で差が開いた印象です。
動作温度
CPU温度

| 平均温度(℃) | 最大温度(℃) | |
|---|---|---|
| アイドル | 39℃ | 56℃ |
| CINEBENCH R23 | 88℃ | 89℃ |
| ゲーム (FF14ベンチマーク) | 71℃ | 82℃ |
CPUに最大限に負荷がかかるCINEBENCH E23実行中のCPU温度は平均88℃、最大で89℃でした。
FF14ベンチマーク実行中のCPU温度は平均71℃、最大で82℃でした。
Power Configurationに、「Performance(45W)」に設定した場合でもCPUはサーマルスロットリングが起こりませんでした。
GPU温度

| 平均温度(℃) | 最大温度(℃) | |
|---|---|---|
| アイドル | 36℃ | 42℃ |
| CINEBENCH R23 | 69℃ | 77℃ |
| ゲーム (FF14ベンチマーク) | 67℃ | 74℃ |
CPUに最大限に負荷がかかるCINEBENCH E23実行中のCPU温度は平均69℃、最大で77℃でした。
FF14ベンチマーク実行中のCPU温度は平均67℃、最大で74℃でした。
内蔵GPUの温度もCPU温度と同じく、サーマルスロットチングの兆候はありませんでした。
ストレージ温度

| 平均温度(℃) | 最大温度(℃) | ||
|---|---|---|---|
| Crystal Disk Mark実行中 | ディスク温度 | 45℃ | 46℃ |
| ディスク温度 3 | 38℃ | 44℃ |
Crystal Disk Mark実行中のSSD温度は平均38~45℃(最大44~46℃)でした。
トップパネルのファンとサーマルパッドのおかげで、SSDを十分冷やしきれています。
表面温度

ゲームプレー(FF14ベンチマーク)中、AOOSTAR GEM10の表面温度をサーモグラフィーカメラで計測しました。
排気がおこなわれる側面の温度は50℃を超えていますが、トップパネルやUSB周りは30℃台に抑えられており、十分冷却できています。
静音性
| 騒音値(dBA) | |
|---|---|
| アイドル | 40dBA |
| CINEBENCH R23 | 45dBA |
| ゲーム (FF14ベンチマーク) | 45dBA |
デジタル騒音計の「FiedNew FN029A」を使用し、約5cm離して、騒音を計測しました。
Power Configurationを「Performance(45W)」に設定しているため、ファンは高回転気味です。
それでも騒音は抑えられており、アイドル時はほぼ無音で、負荷がかかっても、サーというファンの音が少し聞こえる程度です。
ヘッドフォンをつけていれば、まず騒音は気になりません。
騒音値の目安
| 騒音レベル | 目安 |
|---|---|
| 100dBA | 電車が通るときのガードの下 |
| 90dBA | 騒々しい工場の中 |
| 80dBA | 地下鉄の車内 |
| 70dBA | 騒々しい事務所の中 |
| 60dBA | 静かな乗用車 |
| 50dBA | 静かな事務所の中 |
| 40dBA | 図書館の中 |
| 30dBA | ささやき声 |
消費電力

| 平均消費電力(W) | 最大消費電力(W) | |
|---|---|---|
| アイドル | 16W | 30W |
| CINEBENCH R23 | 73W | 78W |
| ゲーム (FF14ベンチマーク) | 74W | 81W |
ラトックシステムのワットチェッカーの「RS-BTWATCH2」を使用し、システム全体(AOOSTAR GEM10)の消費電力を測定します。
消費電力はアイドル時で平均16W、CINEBENCH R23でCPUに負荷を最大限にかけた状態でも平均73W前後。
Ryzen 7 6800Hはモバイル向けCPUということで、消費電力が非常に低いです。
レビューまとめ

- マルチコア、シングルコア性能はRyzen 5 5600Gに匹敵
- 内蔵グラフィックの性能が優秀(一部ゲームではRyzen 5 8600Gと同等のパフォーマンス)
- 消費電力は低い
- メモリクロック(DDR5-6400)が高い
- M.2スロットが3基
- VESAマウントが付属
- 静音性が高い
- 手のひらサイズでコンパクト
- Windows 11 Pro
- 冷却性能が高い
- デュアル2.5GLAN
- USB4ポート搭載
- Oculinkポート搭載(外部GPUを増設可能)
- メモリ32GB搭載
- 一般的なオフィス作業は余裕
- Wi-Fi 6E、Bluetooth v5.2に対応
- 重量級のゲームは厳しい
- メモリの増設は不可能
AOOSTAR GEM10を実際に使用して数か月経過しましたが、ミニPCとして考えると、非常に高い性能を有しています。
このPCで実際にブログ作成や動画編集をおこなっていますが、動作はサクサクしていますし、モッサリ感を感じたことは一切ありません。
また、ゲームも軽量級のゲームならフルHDでも余裕ですし、Ryzen 7 6800H(Radeon 680M)は想像以上にパワフルです。
Ryzen 7 6800H(Radeon 680M)はゲームによってはRyzen 5 8600Gと同等のゲームパフォーマンスを発揮します。
今現在、PCパーツ高騰のなか、Ryzen 5 8600G搭載のパソコンはおそらく総額15万円くらいになるでしょう。
それを考えると、10万円以下で購入できる、AOOSTAE GEM10のコストパフォーマンスはずば抜けています。
Ryzen 7 6800H(Radeon 680M)搭載のミニPCは全体的にコストパフォーマンスに優れているので、ゲームができるミニPCを探しているのなら、このあたりのスペックから探してみてはいかがでしょうか?
AOOSTAR GEM10が在庫切れで購入できないのであれば、代替として下記製品がおすすめです。
いずれの製品もRyzen 7 PRO 6850Hを搭載していますが、Ryzen 7 6800Hの法人向けモデルなだけなので、性能自体は全く同じです。
メモリ32GB+ストレージ1TBモデル
メモリ24GB+ストレージ1TBモデル
メモリ16GB+ストレージ512GBモデル
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