Cooler Masterから2025年12月に発売されたCPUクーラーのHyper 212 3DHPは、「3DHPヒートパイプ」という唯一無二の特徴を有していることで、これまでのCPUクーラーの常識を覆しています。
今回はIntel製CPUの「Core i5-14600KF」を使用して、Hyper 212 3DHPの冷却性能を検証していきたいと思います。
「Hyper 212 3DHP」の仕様
| Cooler Master 「Hyper 212 3DHP」(型番:MAY-T2HP-217PK-R1) | ||
|---|---|---|
| 対応ソケット | Intel LGA 1851 / 1700 / 1200 / 1151 / 1150 / 1155 / 1156 AMD AM5 / AM4 | |
| 対応TDP | 230W | |
| ヒートシンク | ヒートパイプ | 3DHP×2本 |
| フィン素材 | アルミニウム | |
| 冷却ファン | 回転数 | 0-2050 RPM ± 10% |
| 最大風量 | 63.1CFM | |
| 最大静圧 | 2.69mmH2O | |
| 最大騒音値 | 22.6dBA | |
| ベアリング | ループダイナミックベアリング | |
| MTTF | >200,000 時間 | |
| フィンコネクタ | 4pin PMW | |
| 外形寸法 | 幅86mm、奥行き133mm、高さ158mm | |
| メーカー保証 | 5年 | |
| 参考価格 ※2026年3月 | 約3,445円 | |
外観をチェック

パッケージは段ボール製で、Cooler Masterのコーポーレートカラーの紫色のシールが貼られている簡素なものとなっています。

ヒートシンクの厚みも抑えられ、さらにシングルファンモデルということで、大型空冷クーラーに比べると、スッキリとした印象です。ファン、ヒートシンクともに黒に塗装されています。


全高は158mmあります。低価格帯の定番CPUクーラーのAK400の全高は155mmなので、少し高さはあります。

フィンピッチが均一に施された精巧なヒートシンクです。両サイドにはカット加工(くぼみ)が施されています。

メモリスロットとの干渉を防ぐための「オフセットデザイン」は採用されておらず、左右対称となっています。

トップカバーです。中央にはCooler Masterのロゴが装飾されています。マットな仕上げとなっており、質感の高さを感じます。

CPUとの接地面は低価格帯のCPUクーラーで採用されがちなダイレクトタッチ式ではなく、銅製のベースプレートが装着されています。パイプは直径8mmと太さはありますが、2本のみとやや心もとない印象です。

べースプレートに直径6mmのヒートパイプが2本接合されています。この2本のヒートパイプがこの製品最大の特徴の「3DHPヒートパイプ」です。

U字型にレイアウトされた2本の標準的なヒートパイプに加え、ベースプレートから上向きに伸びているヒートパイプをさらに2本搭載しています。

ベースプレートへ伝達された熱は、U字型ヒートパイプおよび3DHPヒートパイプを介して放熱フィンへと伝導されます。


ファンはCooler Master製120mmファン「MOBIUS 120」を標準搭載。
スペックを確認すると、ファンの型番は、回転数は0~2,050rpm(±10%)のPWM制御に対応し、最大風量は63.1CFM、最大静圧は2.69mmH₂O、最大騒音値は22.6dBAとなっています。
セミファンレス動作に対応しており、優れた静音性を実現しています。さらに、フレームの四隅には振動を抑制するゴム製ダンパーを装備しています。
ファンのスペックは以下の通りです。
- サイズ:120 × 120 × 厚さ25 mm
- 回転数:0 ~ 2050 ± 10% rpm(PWM)
- 風量(最大):63.1 CFM
- 静圧(最大):2.69 mmH₂O
- ノイズ(最大):22.6 dB(A)
付属品をチェック
Hyper 212 3DHPの付属品は以下の通りです。






マザーボードへの搭載手順


バックプレートには粘着シートはないので、ガムテープなどで固定することをおすすめします。

スプリングネジのバネは反発力が高めなのでネジを締めるときは力を入れる必要があります。

AMDの場合、バックプレートはマザーボード付属のものを使用します。大きな違いはそれくらいで、搭載手順はインテルのときとほとんど同じです。
クリアランスをチェック

オフセットデザインではないので、一番左端のメモリスロットは完全に隠れてしまいます。背の高いメモリを装着した場合、干渉する可能性が高いです。

ビデオカードとのクリアランスはギリギリで、正直、余裕はありません。
冷却性能をチェック
検証環境

| 検証環境 | |
|---|---|
| CPU | Core i5-14600KF |
| CPUクーラー | Cooler Master Hyper 212 3DHP |
| CPUグリス | GS-04A |
| ビデオカード | 玄人志向 RD-RX9060XT-E16GB/DF |
| マザーボード | MSI Pro B660M-A DDR4 |
| メモリ | DDR4-3200/8GB×2 |
| SSD | WD_BLACK SN770 NVMe 1TB |
| 電源ユニット | MSI MAG A850GL PCIE5 |
| PCケース | XPG VALOR AIR JP |
| OS | Windows 11 Home 64bit版 |
ここからはHyper 212 3DHPを検証用パソコンに組み込み、冷却性能を検証していきます。

テスト用のCPUには、Core i5-14600KFを用意します。インテルの第14世代(Raptor Lake Refresh)の14コア20スレッドのCPUです。

オーバークロックに対応していますが、今回は、Intel Default Setting(PL1 150W/PL2 150W)に設定して検証します。

また、バラック状態ではなく、PCケース(XPG VALOR AIR JP)に収めた状態で計測します。
CINEBENCH 2026

| 平均温度(℃) | 最高温度(℃) |
|---|---|
| 82℃ | 88℃ |
CPUに負荷をかけるレンダリングベンチマーク、CINEBENCHの最新バージョン「CINEBENCH 2026」です。マルチ10分間連続テストを実行し、CPU温度を計測します。
Core i5-14600KFは発熱しやすいCPUで、PL1/PL2を150Wに設定しても高熱になりやすいです。
それでもCPU温度は平均82℃、最高88℃に抑えられており、冷却は十分間に合っています。
Core i5-14600KFのTJMAX(T-Junction Max:許容動作温度の限界)は 100℃なので10℃以上の余裕を確保しています。

CPS RZ400V2と比較すると、平均温度は約4℃ほど低く、同価格帯のライバルと比較してもHyper 212 3DHPの冷却性能は高いです。
FFXIV: 黄金のレガシーベンチマーク

| 平均温度(℃) | 最高温度(℃) |
|---|---|
| 53℃ | 67℃ |
FFXIV: 黄金のレガシーベンチマーク実行中のCPU温度です。CINEBENCHと違い、CPUの負荷は100%になりません。そのため、発熱はおとなしくなります。
CPU温度は平均53℃、最高67℃に抑えられており、冷却は十分間に合っています。

CPS RZ400V2と比較すると、平均温度は約4℃ほど低く、CINEBENCH 2026と同じく、ゲーム中でも同価格帯のライバルよりHyper 212 3DHPの冷却性能は優秀です。
騒音をチェック
PCケースのサイドパネルを外し、ケースファン、GPUファンの回転数をゼロにして、デジタル騒音計の「FiedNew FN029A」を使用し、パソコンから約30cm離して、騒音を計測しました。
| 騒音値(dBA) | |
|---|---|
| ファン50% | 35.6dBA |
| ファン100% | 45.4dBA |
ファン50%時は35dBA前後しか上がらず、ほぼ無音です。一方、ファン100%にした際はさすがに風切音が気になり始めます。とはいえ、そこまで不快な音ではなく、あまり気になりません。

CPS RZ400V2と比較すると、Hyper 212 3DHPの騒音は大幅に抑えられています。
騒音レベルの目安
| 騒音レベル | 目安 |
|---|---|
| 100dBA | 電車が通るときのガードの下 |
| 90dBA | 騒々しい工場の中 |
| 80dBA | 地下鉄の車内 |
| 70dBA | 騒々しい事務所の中 |
| 60dBA | 静かな乗用車 |
| 50dBA | 静かな事務所の中 |
| 40dBA | 図書館の中 |
| 30dBA | ささやき声 |
Hyper 212 3DHPのメリット・デメリット

- コスパが高い
- 同価格帯のCPUクーラーと比較して、冷却性能が高い
- 静音性が高い
- 質感が高い
- セミファンレス動作に対応
- 取り付けが少々面倒
- メモリスロット、ビデオカードとのクリアランスに余裕はない
まとめ
接地面を見たとき、パイプが2本のみだったので、最初は本当にCPUを冷却できるのか不安でした。
ただ、検証を進めていくうちにその不安は解消されました。
というのも、発熱しやすいCore i5-14600KFをしっかり冷却できていたからです。
同価格帯のCPUクーラーと比較しても、冷却性は確実に高く、「3DHPヒートパイプ」による効果をしっかりと感じることができました。
また、ヒートシンク、ファンの質感も高く、おまけに静音性も高いです。それでいて、価格は3000円台と安く、文句のつけようがないです。
今後、Hyper 212 3DHPはコスパを重視するユーザーにとって、定番のCPUクーラーになりそうです。
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